Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私はもっと耐え忍ぶ心を強くしなくてはなりません。自分のわがままな願いが自分を不幸にすることも多いと思います。
私は先日、ヘレン・ケラーの自叙伝を読みました。盲目で聾で唖である彼女は、どんなにこの世の幸福から封じられねばならなかったでしょう。しかも忍耐努力して大概の書物は凸凹字に触れて読むことができるようになり聖書なども読みました。野に立てば温度や花の香などで野の心持ちもわかり、ひとりで湖に舟を漕いでは、藻の香りや風のあたりぐあいなどで、舟の方角を定めました。そして月のかがやく夜などは、舟ばたから水に手を触れると、静かな冷たい月光をも感ずることができたといっています。私はこの女の生涯の苦労を思い、私などはまだまだ生きるために、フェボラブルな境遇にいるのに、失望がましき心を起こしてはならないと思いました。彼女は春の夕、合歓の匂いに、恋しいような、懐かしいような心のあこがれをそそられて、その樹を抱いて接吻し、香を嗅ぎ、泣いたというようなことも書いてありました。また、クリスマスに先生から贈られたカナリヤに自分の掌から桜の実を食わせ、その小さな、柔らかなからだに触れて愛の感動をおぼえたとも書いてありました。