Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのいきのあと
青春の息の痕
倉田 百三
Lesen Sie 青春の息の痕 (せいしゅんのいきのあと) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.338 Zeichen · 254 Bildschirme
私は都合により倉橋島へは行かずに妹と一緒に故郷に帰ることになりました。ただ今は最後の散歩をしてしばしの交わりにはや別れにくきほどの親しさになっている幾つかの家庭に「さようなら」を告げて宿に帰ったところでございます。私たちは何だか悲しい淋しさに沈んでいます。市街の燈火も今晩は心もちかなしそうに思われます。思えば私は浜辺より森のなかへ、病院より温泉宿へと淋しい旅をしては、そのたびに幾人かの忘れえぬ人々とあわれな別れをして来ました。私は今夜はそれらの人々のことを思い出しました。そしてかなしい人生のさだめのまえに、祝福をその人々に送るいのりをせずにはいられません。私は私の未来の生涯をば淋しきものと思いさだめるたびごとに、ただこのようにしてできる多くの淋しい人々のよき友であることのみに私の生きる意味を見いだそうかと思うほどでございます。あなたはいつまでも私を愛して下さいまし。私はこの夏は父母にできる限りやさしくしようと思います。私のふる郷であなたにお目にかかれるならばこのように嬉しいことはありません。私は性と信仰とのことについてもあなたに聞いていただきたいことがありますけれど、それは帰郷してからの詳しき手紙に譲ります。