Japanische Klassiker mit Furigana
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『しゅっけとそのでし』のついおく
青春をいかに生きるか
倉田 百三
Lesen Sie 青春をいかに生きるか (『しゅっけとそのでし』のついおく) von 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.413 Zeichen · 190 Bildschirme
厳しい母親というものは少ない。その感化は一生つづく、子どものときから一生涯つづく性格に力強い方向を与える。女性の任務の最大なものは母としてのそれであろうが、母としての務めの中でも、この子どもの精神と霊とを薫陶することが一番高い、重大なものであろう。
しかし子どもの精神と霊性とを薫陶するということも、肉体の世話と、労働の奉仕とを前提としなくては、子どもを心服せしめ、感化を及ぼすことはできない。哺乳は乳母任せ、身のまわりの世話は女中まかせ、学資は夫まかせで、自分は精神上の薫陶だけしようとしたって、効果の上るはずはない。
しかしただ教育的で厳しいだけで、ちっとも子どもを甘やかすというところのない母親は美しいものではない。そこには人情の機微がなければならぬ。ことに子どもの幼いときに、故意に、不自然に教育的なのはよくない。食卓でいちいち合掌させて食事をさせるというようなのは私は好まない。「おいたはおよし」と母親が叱っても、茶碗を引っくり返すくらいなところもないと母のなつかしみはつくまい。人間としての本質の要所要所で厳格でありたい。
母としての女性の使命はこのほかにまた、「時代を産む母」