Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんろん
青春論
Lesen Sie 青春論 (せいしゅんろん) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.657 Zeichen · 69 Bildschirme
その後、子規の『仰臥漫録』を読んだが、子規も姪と同じような病気であったらしい。場所も同じで、やっぱり腹部であった。子規の頃にはまだギブスがなかったとみえ、毎日繃帯を取換えている。繃帯を取換えるとき「号泣又号泣」と書いてある。姪の方もさすがに全身の苦痛を表す時があったが、泣いたことは一度もなかった。
明治三十五年三月十日の日記に午前十時「此日始メテ腹部ノ穴ヲ見テ驚ク穴トイフハ小キ穴卜思ヒシニガランドナリ心持悪クナリテ泣ク」とある。その日の午後一時には「始終ドコトナク苦シク、泣ク」とも書いてある。子規は大人だから泣かずにいられなかったのだろうが、娘の方は十一もある穴を見たとき、まったく無表情で、もとより泣きはしなかった。食事だけが楽しみで、毎日の日記に食物とその美味、不味ばかり書いている子規。何を食べても無言の娘。この二人の世界では、大人と子供がまったく完全に入れ違いになっているので、僕は『仰臥漫録』を読む手を休めて、なんべん笑ってしまったか知れなかった。(こんなことを書くと、渋川驍君の如く、不謹慎で不愉快極るなどというお叱言が又現れそうだが、それでは、いっそ「なつかしい笑いであった」