Japanische Klassiker mit Furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Lesen Sie 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.513 Zeichen · 43 Bildschirme
なんという悲壮な顔だったろう。盗癖という悪癖を――意識をもってはどうともできない悪癖を持っている人間の苦悩といったものを、顔全体にみなぎらしていた。
「どうしよう広井君! (青木が雄吉に君を付けて呼んだのはこれが初めてだった)どうか。俺を救ってくれ、俺は破産した自分の家名を興す重任を帯びているのだ。食うや食わずで逼塞している俺の両親は、俺の成業を首を長くして待っているのだ。ここを追われると、俺のこの身体で食っていくことさえ覚束ない。ああどうしよう、広井君! どうかして俺を救ってくれ、主人は君、告発するとか、そんなことはいいはしまいね」
雄吉の心には、かくまでに参ってしまった青木に対する同情と、今まで自分を見下していた青木が、手を合わさんばかりに哀願しているのを見ている一種の快感とが、妙にこんがらがっていた。そして、その二つともが、彼が青木の罪を負うという決心を固めるのに役だった。
彼は、主人の部屋を出た時と同じように得々とした心持で、
「実はね、主人の前は僕が責任を背負ってきたのだ。僕は君のために、この罪を背負ってこの家を出ようと思うのだ。君を罪に落したところで、僕が、君をこの家に紹介した責任は逃れないし、また僕が何も知らないで、小切手を引出しに行ったということも、ちょっと弁解が立たないし、これが表沙汰にでも