Japanische Klassiker mit Furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Lesen Sie 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.513 Zeichen · 43 Bildschirme
彼は青木に対するすべての好感情を失い、満身を彼に対する憎悪と侮蔑とで、埋めてしまった。しかも、それは、彼の苦学的生活が、苦しくなれば苦しくなるにつれて、深められていった。
青木が、大学でも不始末を演じて、除名されたという噂をきいたのは、それから間もないことであった。が、その時には、埋もれていく青木の天分を惜しむほどの好意も、雄吉の心のうちには残っていなかった。
三
今、カフェ××××の一隅の卓を隔てて、その青木は雄吉の眼前に座っている。雄吉の心のうちに、ダニのように食いついて離れない青木に対する悪感を、青木は少しも知らないのかも知れないと、雄吉は思った。青木に対する昔の好意が――自分の身を滅ぼすことをも辞さないほどの好意の破片でもが、雄吉の心のうちに残っているとでも、青木は誤解しているのかも知れないと、雄吉は思った。が、どう思っていてもいい、もうわずかに二十六時間だ。いやこの会見をさえ、手際よく切り上げれば、後はすぐ、さっぱりするのだと雄吉は考えた。
が、雄吉の前に腰かけながら、黙って目を落している青木を見ていると、彼は六年という長い間、田舎に埋れていた青木の生活を、考えずにはおられなかった。