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Japanische Klassiker mit Furigana

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あおくさ

青草

十一谷 義三郎

Lesen Sie 青草 (あおくさ) von 十一谷 義三郎 (じゅういちやぎさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.645 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

四

」

「結局死ぬんだろうなあ。」

「死ぬからつまらないさ。」

そう言って兄は空を仰ぎ見た。そして彼女を顧みた。

「見える?」

「なあに?」

「星さ。」

「あんなに光ってる。」

「闇いね。北斗星はどこ?」

彼女は手を挙げた。兄は黒眼鏡のかかった顔をひたりとそれに寄せた。

弟は櫂を握って立ち上った。舟ががぶりと揺れた。

「寒い、わたし。」そして彼女は坐りなおした。弟は彼女の膝へ彼の浴衣を放り掛けた。それからまた沖へ漕ぎ初めた。彼女は劇しくかぶりを振った。

「もう帰るんだ。」と兄が命令するように言った。弟は聞かずに漕いだ。舟は気違いのように暴れ進む。彼女は真蒼になって兄に抱きついた。兄はじっと弟を見据えて唇を噛んだ。

弟は眼の前の空を見た。空の星が自分の汗の中へ溶けこんでくるほどの快さであった。彼は舟の下を走る潮騒に耳をすました。音は自分の胸から湧きでるほど自然に聞えた。彼は力の張りきった自分の腕と股を見た。幸福がすべて宿っているように思われた。熱い涙がさんさんと彼の眼から流れた。彼は艪を外して大声に泣きだした。

兄と彼女が空虚な眼をった。舟はやはり沖へ進んでいた――

四

――われ爾が冷かにもあらず熱くもあらざることを爾のわざによりて知れりわれ爾が冷かなるかあるいは熱からんことを願う――弟はゆうべ床で読んだ聖書の句を繰り返えしながら