Japanische Klassiker mit Furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Lesen Sie 青銅の基督 (せいどうのキリスト) von 長与 善郎 (ながよよしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.703 Zeichen · 133 Bildschirme
」女はこういって、琥珀と群青石の指輪を一つずつはめた両手を餉台の上に並べて見せた。
「ほう。なんといういい色配だ。肌の味だ。」男はもう女の言葉も耳にはいらぬらしくこういって、そのコンタスに見とれながらなんべんもそれをなでていた。
「あたしの肌のあぶらがついたからよ。」
「そしてこの彫り物もすてきだ。さんた・まるやかな。」
「びるぜん様ではないわ。まるや・まつだれな様だわ。」と女はいった。「あなた、『びるぜん』て横文字でどう書くか知ってる? 知らないでしょ? ほほ、あたし、教わったから知っているわ。」
女は餉台の上に飲みかけの茶をこぼし、その水を人さし指の先につけてあやしく Virginis と書いた。そして自分で怪しむらしく小くびをかしげかしげ終わりの is を消しては書き、消しては書きした。
「それ見ろ、お前はやっぱりあれにちがいないよ。まさに。どうしても。」
「そう。じゃ、勝手にそう思うがいいわ。あたし、そんなら大事にしておこう。あなたにあげるのよして。」
不貞腐ってこういいながら女はそっと男に近寄り、急にそのコンタスを引ったくった。そしてあわてて袂の中にそれをかくしながら「しっ!」