Japanische Klassiker mit Furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Lesen Sie 青銅の基督 (せいどうのキリスト) von 長与 善郎 (ながよよしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.703 Zeichen · 133 Bildschirme
僕らもいずれはあすこへ引っぱられて行く時が来るのでしょうが。――」
右手に半ば諏訪山にかくれて兀鷹の頭のように見えるまっ黒な丘をさしてこうつぶやくと、うつむきながらそこへ寄ってきた野良犬の背をなでていた。
裕佐は言葉もなく黙っていた。そして魔物を見るようにその黒い丘をちらりと見るとからだをふるわせた。
彼は昔その丘に一度は伯父に連れられ、一度は母に連れられて、切支丹の虐殺を見に行ったことがあった。
八つの時伯父に抱きあげられて黒山のような人の垣の頭越しにその刑場を見た時、十幾本かの十字架を遠巻きにいぶし立てているその薪の火がその十字架に燃えうつり、燃えうつった火に肉にくい込むほどくくりつけてある荒縄がぷつりぷつりと切れて、自分と同じくらいの小さい子がその十字架から落ちて倒れ、煙の中を小走りに走って、隣の十字架に素裸のままで縛りつけられて、くちびるをかみ、目をきっと天に向けているその母親のところに駆け寄って、泣き叫びながらその胸にひしと抱きついた――それをちらりと見た時、彼は泣きも得ずただ足をばたばたもがき、なお終わりまでそれを見つづけようとする伯父の頭髪をめったやたらにむしった。