Japanische Klassiker mit Furigana
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めんせきのあつみ
面積の厚み
宮本 百合子
Lesen Sie 面積の厚み (めんせきのあつみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.111 Zeichen · 15 Bildschirme
こう言明するからには、心からこう思っているに違いない先生に対して、失礼なことを考えていた相すまなさと、軽弾みだった自分の恥かしさとが、一時に強い感動となって心を撃ったのである。
今朝の先生と、現在の先生との間に、彼女はどうしようと思うほどの差異を認めた。
どっちが真個の、「この」先生なのか。
けれども、誰でもがそうである通り、彼女も、自分が教えを受けている先生は、下等で卑劣だと思うよりは、真個に尊ぶべき人格を持っている人として確信される方が、どのくらい嬉しくて、心が安らかだか分らなかった。
学問はたといそんなに偉くなくても、いつも心は正しい先生だと云う方が、彼女にとってはどのくらい有難かったか分らない。
そしてまた実際、貴女が悪いことをすれば、と云われた言葉には、真に卑怯なことなどは、微塵(みじん)も許さない心の強い人らしい力と、落付きと、誰憚らぬ威厳とがあったのである。
彼女は、まるで落してもう諦らめをつけていた宝石を、偶然再び見出せた時の通りの尊さと嬉しさとを感じた。
それが一度見失われた為に、再び現われたときの価値は、以前の倍も倍も有難いものに思われる。