Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

かばんらしくないかばん

鞄らしくない鞄

海野 十三

Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme

Aozora Bunko

「万有引力が正常普通に作用するかぎり、それはその通りです。猫の子が宙を飛び、鞄が空を走るためには、それらの物体に万有引力と反対の方向に作用する相当の力が働いていると断定して間違いないわけでしょう。課長さん、これに答えて下さい」

「さあ、わしには分らんね、全く……」

「万一に考えられることは、特別の浮力です。物体が空気の中にあるために、自分が排除する容積だけの空気の重量に等しい浮力が、万有引力と反対方向に働いているのですが、こんなことは断るまでもない常識事です。そしてその浮力が仔猫の場合に於ても、鞄の場合に於ても万有引力に比して殆んど省略し得る程度の微小なる力です。これはこれで片づいたとして第二に考えられることは……」

「頭の痛くならんように喋ることはできないものかね」

「ご尤もです。……それでそれは――第二に考えられることは、万有引力常数を変えてしまうこと。第三には第三の物体を誘致し来って、それによる引力を、万有引力以上に効き目を持たせること。それから第四に、アインシュタインの設定した万有引力テンソルを……」

「待った。もうたくさん」

「第四は、今の場合論じなくてもすみますから、横へどけて」