Japanische Klassiker mit Furigana
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かばんらしくないかばん
鞄らしくない鞄
海野 十三
Lesen Sie 鞄らしくない鞄 (かばんらしくないかばん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.653 Zeichen · 73 Bildschirme
しかし烏啼がその後秋草と争って、遂に猫又もお化け鞄も共に自分の手に入れ、それを奇竜丸に持ち込んだばかりか、秋草の自由を束縛してこの船に乗せてしまったことが分った。それから後はずっと海上生活をしていたものだから、この二人の行方は陸上を監視していただけでは知れなかった筈である。
その烏啼は、海上生活を送りながら、なんとかして大島へ上陸し、三原山の火口底から例のラジウムを取出そうと、機会の来るのを狙っていたが、当局の警戒がすこぶる厳重なため、その目的を達することが出来ないでいた。
ところが或る日、秋草が実に大胆なる脱走を試みた。
彼女は、烏啼の部下数名を、巧みなる手段によって籠絡すると、その力を借りて、猫又とお化け鞄とを盗み出させ、それから細紐で自分の手首をしばって、猫又を入れたお化け鞄に結びつけ、鞄の把柄を下へ押し下げた。すると猫又の浮力と、お化け鞄の浮力とによって、鞄は秋草の身体を下にぶら下げたまま宙に浮きあがった。船は依然として走っているものだから、鞄にぶら下った秋草の身体は見る見るうちに船を離れた。
これに気がついた乗組員が、急いで烏啼に知らせたので、烏啼は顔色をかえて船橋へ上った。