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Japanische Klassiker mit Furigana

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おんがくかいのめいしん

音楽と生活 兼常清佐随筆集

兼常 清佐

Lesen Sie 音楽と生活 兼常清佐随筆集 (おんがくかいのめいしん) von 兼常 清佐 (かねつねきよすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.475 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

これが迷信である。

ピアノの先生はほとんど例外なしに言う。――お前はタッチを勉強しなくてはいけない。ピアノの鍵盤の打ち方こそピアノの技術の真生命のあるところである。鍵盤の打ち方ひとつで音はいろいろに変る、打ち方の上手な人の指からは、美しいピアノの音が出る。お前は手の形、指の形などを十分によく注意して、よく先生の言うとおりに直して、いいタッチの出来るように勉強しなくてはならない。先生に習わないで自分一人でやったのでは、指や手の形がわるくて、ピアノの音が美しくない。――

これが迷信である。常識で考えて見ても、そんな出鱈目な事があり得ようはずがない。パデレウスキーが叩いても、猫が上を歩いても、同じ鍵盤からは同じ音しか出ない。どの指で、どんな形で、どんな打ち方で叩こうと、そんな事は音楽の音とは別に何の関係もない。それはただ先生が御愛嬌にそんな事も言って見るだけのものである。それを本当と思いこんで、真面目になって、その通りをピアノの上でやって見ようとするのは、本気で考えると頗る馬鹿げた話である。それが迷信である。音楽はただ音楽である。楽器は楽器より以上の何物にもなり得ない。