Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おんがくかいのめいしん

音楽と生活 兼常清佐随筆集

兼常 清佐

Lesen Sie 音楽と生活 兼常清佐随筆集 (おんがくかいのめいしん) von 兼常 清佐 (かねつねきよすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 29.475 Zeichen · 61 Bildschirme

Aozora Bunko

たとえば今 c' の音を或る速さで二度つづけて弾いたとする。楽譜には同じ c' の音符が二つ書いてある。そしてこの二つの音は全く同じ c' の音だと批評家も師匠も聞いている。この事を疑った批評家をまだ私は知らない。

しかしピアノの構造の上から考えて見れば、そんな事はあり得ない。この二つの音の間には、音の混雑から起る相当な音色のちがいがなくてはならない。ピアノは音響学的には甚だ粗末な機械で、音を止めるものはただ一箇のダンプァーだけである。そしてそのダンプァーは柔かなフェルトで出来ていて、平台ピアノではその重さで上から絃を押えるだけの仕掛になっている。しかもそのダンプァーの位置は絃の端の方である。しかし長いピアノの絃には相当な張力がかかっているし、絃の質量も相当ある。今その絃が或る程度のエネルギーをもって鳴り初めたとしたら、あんなダンプァー一つくらいでその振動が一瞬間にぱたりと止まるわけがない。その止まりきらないところを第二回目に叩いたとしたら、音は当然混雑するはずである。

もしダンプァーが絃の振動を一瞬間に止めたとしても、ピアノには響板というも一つの振動体がある。