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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.712 Zeichen · 29 Bildschirme

Aozora Bunko

も束の間で、また引きこまれるようにググッと水底へ沈んでしまった。

佐吉は舷側から乗りだして、眉を寄せながらそのようすを見ていたが、ドキッとしたような顔で四人のほうへ振りむくと、

「……どうも、様子が変ですぜ……」

仁科はうなずいて、

「こりゃア、たしかに妙だ……御苦労だが、かいしゃくしてやってくれ」

「ええ、ようございます」

佐吉は絆纒をぬぎすてると、逆落しに川の中へ躍りこみ、ほどなく佐倉屋をかかえて上って来て、艫から差しだしている手へ佐倉屋の襟をつかませたが、フト、ぐったりしている佐倉屋の喉のあたりに眼をすえると、

「おッ、こりゃア、どうしたんだ……し、し、絞め殺されている!」

と、叫んだ。

佐倉屋は、昨夜の佐原屋と同じように、蕃拉布できつく首を絞められて絶命していた。

席札

長崎屋の寮の筥棟の上。

まるで雨乞いでもするような恰好で、うっそりと腰をかけているのが、顎十郎。

漆紋の、野暮ったい古帷子の前を踏みひらいて毛脛を風に弄らせ、れいの、眼の下一尺もあろうと思われる馬鹿長い顔をつんだして空嘯いているさまというものは、さながら、屋の棟に鰹木でも載っているよう。