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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.061 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

いよオ、御苦労様。

わッという掛け声のうちに、賑かな下座が入る。三味線、太鼓、小鼓、それに木魚がつれて、禅のつとめの合方。

映し幕に、パッと明りがさし、色も鮮かに浮きあがった画面は、上下に松並木の書割、前が街道。と、下手から清姫がなよなよと現れ出てくる。

※(歌記号、1-3-28)赤い振柚に花簪、帯のだらりも金襴に……と、歌の文句のように、浮世絵の極彩色の美しい姿で松並木のなかほどのところまでやってくると、上手から飛脚が飛んで出る。

清姫が、こうこういう美しい旅の僧を見なかったかと訪ねる。飛脚は、あっちへ行ったという。

お次ぎは、旅の僧侶がひとり。夜道で思いがけない美しい女にあったので、幽霊かと思い、あわてて突っ伏して、鐘をたたきながら無闇に念仏を唱える。

画面がかわると、『日高川の場』。

背景は、満々と張った川の流れ。

清姫がよろよろと岸に辿りついて、渡守に、渡してくれと頼むが、船頭は無情にことわる。

清姫は泣いたり恨んだりしていたが、だんだん凄いかおになって、とうとう川に飛びこんで抜手を切るうちに、一度、水底に姿が見えなくなったと思うと、とつぜん、金の鱗をつけた凄じい蛇体になって、激流の中を泳いでゆく。