Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.061 Zeichen · 22 Bildschirme
しょせん、気病みのたぐい。……どうせ、女は気の狭いもの。現在、自分が蛇を殺したというので、熱にうかされるのはありそうなこってすが、あなたまで、先に立って、呪いの祟りのと騒ぎまわるのは、チト困った話ですねえ」
又右衛門は手をふって、
「いや、一概にそうとばかりは言うまいぞ。……痩せても、枯れても川崎了斎の裔、鬼畜に祟りなし、ぐらいのことはちゃんと心得ておる。……しかし、なんと言っても、現在、正眼で見たからは……」
「正眼で?……見たとは、いったい、なにを」
「嘘でもない、まぎれでもない……その蛇体というのをまざまざと見たのじゃ」
「へへえ」
「それも一度ではない、あとさき、これで三度」
「して、それは、どんなものです」
「信じる信じないは、そなたの勝手だが、今日からちょうど五日前、お小夜の寝ている離家へ入って行くと、欄間の上に、胴まわり一尺ばかりの金色の鱗をつけた、見るもすさまじい大蛇が長々と這って、火のような眼ざしでじっとお小夜のほうを見おろしている。……さすがのわしもアッと魂消げて、生きた気もなく座敷の中で立ちすくんだまま、『なんぽーゆーちょうちょう、ちゅうゆーけつけつ、ちゅうゆうじゃアじゃアちゅうゆうし』