Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.061 Zeichen · 22 Bildschirme

Aozora Bunko

といって、又右衛門のほうへ向き、

「そら、いま、なんとか言われましたな。……蛇よけ呪文というのを、もう一度きかせていただきたいのだが」

「お望みとあれば、いたします。……『なんぽーゆーちょうちょう、ちゅうゆーけつけつ、ちゅうじゃアじゃアちゅうゆうし』というのでございます」

顎十郎は、大口をあいて笑い出し、

「だから、それがおかしいというんです。……なんぽーゆーちょう、ちょうちゅうゆーけつ……そいつを漢字になおすと、こういうことになる。……『南方有レ塚、塚中有レ穴、穴中有レ蛇、蛇中有レ屎』……早口に棒読みにすると、なにかもっともらしく聞えるが、要するに、南の塚穴の中に蛇がいて、その蛇の中には糞がある、という愚にもつかないことを音読みでやっているだけのことなんです。こんなものにおどろいて消えてなくなるような大蛇なら、どうせ多寡が知れてると思いましてねえ、それで、つい笑いだしたようなわけ。……なにしろ、こんな恍けた話はねえ、漢語ぎらいの大蛇なんてえことになったら、こりゃア、ひとつ話になる」

ひょろ松は、顎十郎のほうへ振りむいて、

「なるほど、これは、気がつかなかった。