Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.435 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

要用だったら、鯨だってなんだって持って行くだろうさ。別に不思議はありゃアしない」

ひょろ松は、あっけに取られたような顔で、

「要用って、あんな物を、……あんな馬鹿べらぼうなどえらい物を持って行って、いったい、どうする気なンでしょう」

「おれならば鯨鍋にする」

「からかっちゃいけません。正の話、あっしには、それが不思議でならねえンです」

「それは不思議でもあろうさ。ひとの都合なんてえものは他人にゃわからねえ。なにか思いこんだことがあって、どうでも要用だったんだと思うよりほかはない。鯨鍋は冗談だが、誰にしたって始末に困る。そうあるべきはずのところを、なにか知ら、たいへんな手間をかけて持って行ったというからには、われわれの知らねえような退っ引きならねえ理由があったのにちがいない。そのへんのところをトックリと考えて見ると、なんのためにこんなことをしたかすぐわかるはずだ」

「阿古十郎さん、じゃアあなたにはなにか、もうお推察が……」

顎十郎は、首を振って、

「そこまではまだおれにもわからない。しかし、鯨をどうして持って行ったか、そのほうだけははっきりとわかっている」

ひょろ松は、おどろいて、