Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.550 Zeichen · 27 Bildschirme
なんと、そんなもんでしょう。……ねえ、お仲間さん、そういう訳なんだからそんなところに引っこんでいねえで、どうかこっちへやって来ておくんなせえ」
「兄貴のいう通りだ、さあさあ、こちらへ。こちらへ」
中間や陸尺やらが五人。欅のまあたらしい飯台をとりまいて徳利をはや三十本。小鉢やら丼やら、ところも狭におきならべ、無闇に景気をつけている。
アコ長は、そちらへ愛想笑いをしながら、
「ねえ、とど助さん、みさんがああおっしゃってるから、お辞儀なしにあっちへ移ろうじゃありませんか」
「いかにも、これもなにかの因縁。大慶至極でござる。そういうご趣向なら、いっそ表戸をしめてしまって、朝までとっくりとやってはいかがなもんでしょう」
「いよう、軍師、軍師!」
「それがいい、それがいい」
さっきの冗いやつが先に立ってバタバタと表戸をしめてしまう。
さあ、これで邪魔が入らないとばかりに、中間や陸尺のあいだへ割りこんで、たちまち差しつ押えつ、ふたりとも引きぬきになって湯呑で大兜。
「さア、ドシコと注ぎまッせ、そんなことでは手ぬるい手ぬるい」
アコ長も、負けず劣らず、
「ご亭主、ご亭主。継立て継立て、銚子のかわりを三枚肩でお願いしやす」