Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.406 Zeichen · 27 Bildschirme
「えッ」
「……かついで行ったのはお米をかわいがっていた平野屋の隠居。途中で棺をおろしてもいなければ休んでもいない。のみならず、棺は一度も伝右衛門の背中から離れていないんだから世話はねえ。せっかくの思いつきだったが、棺桶のほうは諦めるよりしょうがない」
「すると、いったい、どういう方法で……」
「と、言ったって、おれにはわからねえ……」
と言って陽ざしを眺め、
「祝言のある夕方の六ツ半までには、あとわずか三刻。盃のすまねえうちになんとか埓をあけなくちゃならねえンだから、こんなところでマゴマゴしちゃいられねえ。ともかく小塚っ原の投込場へ行って八間堀へ浮いた首なし女の死体を験めて見ることにしよう。……いくらなんでも茂森町から運び出したお米の首を斬って、つい目の先の堀へ投げこむほどのことはしなかろうとは思うが、しかし、なんとも言えない。万一、それがお米の死骸だったら、これこそ拾いもの」
「いかにもおっしゃる通り。今日からこちらの月番で存分なことが出来ますから、じゃ、これからすぐ……」
千住まで駕籠をやとって飛ぶようにして小塚原。投込場同心に筋を通すと、下働きの非人が鍬をかついで非人溜りから出てきた。