Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme
に知れないようにこっそりと店へ持って来るンです。……番頭ばかりじゃない、それには奥から頼まれた分もはいっている。小鰭の鮨など買いぐいするところを見つかると母親がやかましいから、娘づきの女中がその都度そっと小僧に頼む。小僧が懐中をふくらませて帰ってくると、奥の女中が店の間で待っていて暖簾ごしにお嬢さんの分をこっそり受けとるという寸法なんです」
顎十郎は、顔をしかめて、
「お前の話はどうもくどくていけねえ。いったい、喰ったのか喰わなかったのか、どっちだ」
「喰いました」
「ほら見ろ、なぜ先にそれを言わねえンだ。それさえ先にわかっていりゃアむずかしいことはなにもありゃしなかったンだ。……くどいようだが、すると、その四人の娘たちは鮨を喰ってから駈け出したんだな」
「まあ、そういう順序でしょう」
「まあ、と言うのはどういうんだ」
「そのへんのところだろうと思うンで。……じつは、そこンところはまだ訊いていなかったんです。もっとも、こりゃア調べりゃアすぐわかります。……いま伺っていると、喰ったか喰わないかが妙にひっからんでいるようですが、娘たちがもし鮨を喰ったとすると、それがなにか曰くになるンですか」