Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

アコ長の本名は仙波阿古十郎。どういう間違った生れつきか、人なみはずれた長い顎を持っているので名詮自性して、曰く、アコ長。半年ほど前までは北町奉行所の係りで、江戸一の捕物の名人などと言われたこともあったが、くだらないことで役所を失敗ってしまい、ほかに世すぎの法も知らないところから辻駕籠になりさがった。乞食にならなかったのがまだしもしあわせ。

ひょろ松というのは、むかしの弟子。あるいは手下。菊石も笑靨で、どこに惚れこんだのか、こんなに成りさがっても、先生とか阿古十郎さんとか奉って、むずかしい事件がもちあがるとかならず智慧を借りに来る。きょうもその伝なので。

アコ長ととど助、どちらも根が怠け者なので、金のあるうちはせいぜいブラブラして暮らす。いよいよ食う法がつかなくなると、あわてて駕籠をかつぎ出す。菊人形見物の客の帰りをひろって、とりあえず、いくらかにありつこうと藪下の道ばたに駕籠をすえ、客待ちをしているところへ宿で訊いて、ひょろ松が追いかけて来た。植半で蕎麦でも喰いながらちょっと判じていただきたいことがあるンです。

まだ、四ツをちょっと過ぎたばかりなので、客の顔ぶれは近所のご隠居体なのや、根岸あたりの寮へ来ている商家の御寮人や高島田の娘。