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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.904 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

……『小鰭の鮨』に『美しい娘』。……そのあとへ『菊人形』とでもついたら、まるで三遊亭円朝の三題噺だ。……ひょろ松、お前、どこかぐあいの悪いところでもあるのじゃないのか」

ひょろ松は、ひ、ひ、ひ、と泣笑いをして、

「こんどばかりは、あっしも音をあげました。じたい、たわいのねえ筋のくせに、ひどくこんがらがっていやして、あっしにはどうにもあてがつきませんのです。……くわしくおはなししなければおわかりになりますまいが、じつは……」

と言って、ふたりの顔を見くらべるようにしながら、

「いったい、こういうはなしを、どうおかんがえになります」

先の月の中ごろから、若い娘がむやみに家出をしてそのまま行きがた知れずになってしまう。いずれも大賈の箱入娘で、揃いもそろって縹緻よし。町内で小町娘のなんのと言われる際立って美しい娘ばかり。

八月の十七日には、浅草の材木町の名主石田郷左衛門の末っ子で、お芳という十七になる美しい娘。

おなじく二十日には、深川箱崎町の木綿問屋、桔梗屋安兵衛の娘のお花、これも十七歳。

おなじく二十六日には、千住三丁目の揚屋、大桝屋仁助のひとり娘でお文、十八歳。