Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.960 Zeichen · 24 Bildschirme

Aozora Bunko

そのあとに八基の御神輿、御饌、長持。氏子総代に産子三十人。太古のような陰闇たる闇の中を粛々と進んで行く。神々しくて身もしまるような心持。

これが、蟻の這うような擦り足で行くんだから十町ほどの道がたっぷり一刻はかかる。お仮屋に御霊遷がおえたころには、早い夏の夜は明けかかろう。

三人はお仮屋わきの幕屋の中にひとかたまりになっていると、闇の中を手さぐりしながらそろそろと歩いて来たものがある。圧しつけたような忍び声で、

「そのへんに江戸からおいでなすったひょろ松の旦那がおいでではございませんか。おいでになりましたら、どうかお返事を願います」

「ひょろ松はここにおりますが、そういうあなたは、いったいどなたで?」

声をたよりにズッと捜りよって来て、ひどく息をはずませながら、

「……あっしは、さきほど近江屋といっしょにお眼にかかった二引藤右衛門でございますが、実は、お渡御の道すじに誰か死んでいるようなんで……」

「えッ」

「それも一人や二人じゃありません。五間ぐらいずつ間をおいて、四人まで俯伏せになって倒れているんでござんす。もしや近江屋の一家が殺られたンじゃないかと思いまして、ちょっとそれを、お耳に入れに……」