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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.527 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

その皺腹から大腸をくり出すところなんざ、とんと見られたざまじゃあるまい。血につながる叔父甥の間柄として、そんな無惨な光景を横目で眺めてすましているわけにもゆくまいから、ひとつ、ふんぱつして、この度にかぎり、手前があなたのいのちを助けてあげます。……皺腹代は、まず二十両というところかな」

庄兵衛は、日ごろの強情にも似ず急に脅えたような顔つきになったが、それでも、口先だけは威勢よく、

「なにを、小癪な。では、俺の吟味にあやまりがあるというのか。ほかに罪人があるとでもぬかすのか」

「まアまア、そうご心配なさるな。手前が扱ったという以上、あなたの顔をつぶすような真似はしやしません。……ねえ、叔父上、手前は、なにもあなたの吟味が間違いだなどと言ってるわけじゃない。お調べどおり、罪人は、いかにも忠助です」

叔父は眼を三角にして、

「そ、そんならば、なぜにいらざる異をたてる。ふざけるのもいい加減にしておけ」

顎十郎は、またしても、気障りな薄笑いをして、

「……いかにも、忠助は忠助だが、その忠助は尻尾の長いチュウ助です。ここのところが、ちッとばかりちがう。……しかしながら、いずれにしろ罪人はチュウ助なんだから、それをとりちがえたって、たいしてあなたの顔にかかわるというわけでもない」