Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.604 Zeichen · 28 Bildschirme
ひょろ松は考えていたが、すぐ、
「……千鳥ガ淵……」
顎十郎は、手を拍って、
「いや、ご名答。……俺のかんがえるところじゃ、隅田べり、千鳥ガ淵の近くで女どもが押しこめられ、髪の毛と馬の尻尾でひどい目に逢いながら呉絽を織らされている。……その中で、智慧のある女が、なんとかして救い出してもらいたいと、自分たちが押しこめられているところを教えるために、あんなものを帯の端に織出した」
「なるほど、そんなことでもありましょうか、こりゃ、いかにも大事だ。……でも、阿古十郎さん、あなた、あの都鳥を見ただけで、どうして、それだけのことを洞察きました」
顎十郎は、苦笑して、
「それは、いまわかったんだ」
「えッ、いま?」
「昨日、花世のところで都鳥を見たときは、千鳥ガ淵とまでは察しられなかった。……ところでな、いま、比丘尼の死骸を見たんで、なにもかも、いっぺんに綾が解けた」
「それは、また、どうして?」
「あれは身投げでもなんでもなくて、死骸をあそこまで運んで来て身投げに見せかけたということは、水を飲んでいないことでも、また、草履の裏に土がついていないことでもよくわかる。……土どころじゃねえ、よく調べて見ると、魚の鱗がついている。