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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.604 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

……素性を洗えば相当な大ものだったんだろうが、惜しいことをしたな」

ひょろ松は、がッかりして、

「もう、逃げましたか」

「なにを言っている、つまらねえ御用聞だ。素人の俺に逃げましたかと聞くやつはねえ」

ちょうど、そこへ出来てきた誂え物を押しやって、ひょろ松は、そそくさと立ち上り、

「じゃ、これからすぐ行って、千鳥ガ淵のあたりを……」

顎十郎は、手で押えて、

「まあ、慌てるな、もう一つ、話がある」

「へい」

「……れいの馬内侍の辞世だが、あれには俺もかんがえた。……いや、どうも、だいぶ頭を捻ったよ。……ひょろ松、あの辞世には、やはりわけがあったんだ」

「おお、それは、どういう……」

「馬の尻尾を切ったぐらいで、腹を切るにはおよばねえ。裏には、なにか深い仔細があるのだと睨んだ。……その仔細までは、俺にはわからねえが、あの辞世で、なにを覚らせたがったか、すぐわかった。……夢にもつげむ、思ひおこせよ。……歌のこころは、こうだ。……なにか大事なものを隠した衣類が、どこかに置いてある、それを捜し出してくれという謎だ」

「なるほど」

「……渡辺の家は神田の小川町。……衣類のある場所は『かはかつや』