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Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.819 Zeichen · 26 Bildschirme

Aozora Bunko

ごらんなさい、鋳座も本物だし被せてあるのはヒルモ金。こりゃア素人になんぞ出来ない芸、よっぽどみっちりと鋳たものです」

「なるほど、そういうものか。……いつか禿狸をつかまえたらかならず埋めあわせをさせてやる」

ふたりで、ブツブツ言いながら朝飯をすませ、このごろはもう気ままな道楽商売。空駕籠をかついで護持院原までやってくると、たいへんな人だかり。

ふたりとも物見高いほうだから、人垣を押しわけて覗きこんで見ると、霜どけの濡れた草の上に、腰、肩、背中と、さんざんに斬られて死んでいるのが、ゆうべの雌狸。

アコ長は眉をひそめ、

「おお、こりゃ可哀そうなことになった。なんのつもりでこんなところへノソノソ出て来やがったんだろう」

とど助も溜息をついて、

「ああ、いかにも美しい狸だったが惜しいことをした。こんなところへ無闇に出て来るからこんな眼にあうのだ。南無頓生菩提、南無頓生菩提」

殊勝らしく念仏なんか唱えているところへやって来たのが、もとは顎十郎の配下、神田のひょろ松。アコ長の顔を見るより懐しそうに走りよって来て、

「おお、これは阿古十郎さん、お久しぶりで。……それはそうと、ごらんの通りのわけあいでね、実ア、ここに斬られている女は、どうやら贋金つくりの一味らしいのです。