Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.783 Zeichen · 22 Bildschirme
……何気なしにひったくって眺めると、それはてぐすの先についた鱚鈎だったんだ。……鈎はまだ真新しいし、かいでみると、これが、ひどく生臭いな。……ところで、おれのような阿呆陀羅経ならいざしらず、街中を竿を抜身でかついであるくばかはない。……鈎のことはくわしくしらないが、これはいずれ曰くのあることだろうと思って、川崎屋へ行ってきいてみると、青鱚釣りの坂尾丹兵衛流という流儀では、六尺五寸の一本竹の延竿を使うのが定法だという。……継竿なら袋にでもおさめようが、なるほどそんならば、抜身で竿を持って歩く訳もわかる……。それから品川の太郎名人のところへ行き、坂尾丹兵衛流というのはどんなものだと聞いてみると、坂尾というのは御陰一刀流の達人で流儀の極意を魚釣りにうつしたのだという。……はなしがここまでわかれば、もう子供だましのようなものじゃないか」
「でも、大勢の釣師の間から、どうしてそれが鎌いたちだと見分けがつきましたの」
「……遊芸だってそうだろう、踊の足くせは芸が達すればするほど、その人ひとりの身についたくせにきまる。あれだけのあざやかな刀法が竿の穂先に出ねえはずがないと思った。