Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.248 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

お前のような洟ッたらしが、あたしと遊ぼうなんてそもそもふざけたはなし。……これは今までの玉代にとっておく。……一昨日おいでと蹴り出され、あげくのはて、五十両の件が露見て家は勘当。田村町の髪結の二階にひっそくして、三度の飯にも気がねするというひどい御沈落。……くやしくってならねえから、講談で聞いた谷口検校から思いついて、これならよもや判りっこはねえだろうと、素人でも打てるように、杉山流の管鍼を買い、自分の膝を稽古台にして、朝から晩まで鍼打ちの稽古。ちょうど一週ほどすると、どうやら打てるようになったから、これでよしと昨夜の亥刻頃(午後十時)そっと忍んで行って勝手口から隙見して見ると、千賀春はずぶろくになって長火鉢にもたれて居眠っている」

「天の助けと……」

「天の助けと、這いよって、ゆすぶって見たが、へべれけで正体ねえ。……そっと引き倒しておいて、乳房のうしろへ、ズップリと一ト鍼。……ピクッと手足をふるわせたようだったが、もろくも、それなり。……引起してもとのように長火鉢にもたれさせ、ざまあ見ろ、思い知ったか、で、シコリの落ちたような気持になって、また裏口から飛び出した……」