Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.327 Zeichen · 43 Bildschirme
……国はどこだい」
「いや、これは謝った。……そりゃそうと、なぜ外へでて揚げないのだ」
ふん、と鼻で笑って、
「おう、ありがてえな、おいらを出してくれるかい。……おいらッち、なにもこんな狭えところで揚げたかあねえんだ……さあ、出しておくれ、外へ!」
「そりゃあ気の毒だな。……では、お前たちは、いつもこの空地でばかり凧をあげているんだな」
「ほっとけ、おとな……。子供にからかうなよ。出せねえなら大きな口をきくな」
「いや、これは悪かった。……さあ、もう、あっちへ行って遊びな」
「……おい、お前は同心くずれだろう。……妙な面だな」
「妙な面で悪かった」
「なにを言ってやがる。……おい、同心くずれ、おいらにきくこたア、それだけか。……さっきの青瓢箪はもっとくわしくきいたぜ。……誰にたのまれて凧をあげているんだ……。お前らの仲間にゃ、あまり悧口なやつはいねえな。……へッ、越後から米を搗きに来やしめえし、たのまれて凧をあげるやつがあるかい、笑わせやがら」
顎十郎はニヤリと笑って、
「おう、そうか。……青瓢箪が来て、そんなことをきいて行ったか。……眼のつりあがった……鼻の高い……権高な、いやみな面だったろう」