Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.028 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

さまへ御参詣になりましたが、お神楽の太鼓におおどろきになったものか、かえりの駕籠の中で二度三度と失気なされるので、やむなく途中の百姓家に駕籠をとめ、離れ家におともない申し、いろいろご介抱もうしあげましたところ、ようやくのことで御正気。軽い驚風ということで、その後は恙なく御成育になり、元服と同時に、相違なく家督相続さしゆるされるむね、お達しがあり、家中一同恐悦に存じておりました。その後、家老相馬志津之助と医者露斎があいついで死亡いたし、よって不肖わたくしが家老の職につき、御養育に専念いたしておりましたところ、この春ごろから慮外な風説を耳にいたすようになりました」

「ほほう、それは」

「……と申しますのは、御嫡子源次郎さまは二年前の春、産土さまの帰途、百姓家の離れで、失気したままご死亡になり、古河十二万五千石の廃絶をおそれるまま、先の家老志津之助が、伝役萩之進らとかたらって、たまたま通りあわした野伏乞食の子が源次郎さまに生写しなのをさいわい、金をあたえて買いとり、偽の主君をつくりあげ、なにくわぬ顔で帰城したのだという取沙汰。……もとより根もない風説ではございますが、捨ておきかねることにてございますによって、さまざま手をつくして噂の出所をとりしらべましたところ、矢田の百姓で仁左衛門と申すものの口から出たということ