Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.028 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

という話がある。……私の推察では、評判どおり、ほんとうの源次郎は、やはりあのとき百姓家の離れで死に、いまの源次郎は、たぶん、通りすがりの乞食から買いとった子供なのに相違ないと思った。乞食の子供だから乞食の相があるのはあたり前のことで、雪曽という坊主が、それを看破したのはまた無理もない話。萩之進のほうは覚えのあることだから、大いに恐惶して、なんとか乞食の相をはらいたいと思い、いまの故事に倣って、千人悲願を思い立ち、そこで書きのこした一筆が『すさきの浜』……」

藤波は頭をかき、

「なるほど、そういうわけだったんですか。そんなこととは夢にも知らず、非人の餓鬼のそうざらいをしていたなんぞは、実にどうも迂濶な話。こりゃアどうもお恥ずかしい」

顎十郎は手でおさえ、

「まあまあ、そう悄気られるにはおよばない。手前にしてからが、ただもうほんの思いつき。偶然そんな話を知っていたというだけの功名。大して自慢にもなりゃアしません。……そりゃアそうと、例の土手の斬りかけの件、あなたもひどい目にあったそうだが……」

「まったくありゃあ凄かった。びっくり敗亡して、見得もはりもなく逃げだしました」