Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.028 Zeichen · 28 Bildschirme
まるで、木ッ葉微塵といったていたらく。……天から落ちてきたのでもなければ、こんなひどい壊れかたをするはずがない。……するてえと、これは、やっぱり神隠し。……かわいや、十三人のきりょうよしは、からす天狗にひっさらわれて、御嶽山へでも持って行かれ、今ごろは、さんざんに口説かれて困っているころでしょう」
と、油紙に火がついたようにまくし立てながら、足もとに落ちていた鳥の尾羽のようなものを拾いあげて藤波のほうへ差しだし、
「ほら、この通り。その証拠に、ここに天狗の羽根が落ちています」
藤波は額に癇の筋を立てながら、噛んではき出すような口調で、
「仙波さん、相変らずはぐらかすねえ。そりゃア、五位鷺の抜け羽でしょう。あなたには、それが天狗の羽根に見えますか」
顎十郎は尾羽をうちかえして、とみこうみしていたが、やア、といって頭を掻き、
「こりゃあ、大しくじり。……いかにも、天狗の羽根にしてはすこし安手です。……しかし、それはそれとして、手前には、やはり、神隠しとしか解釈がつきませんな。……だいいち、これだけの乱暴を働いたとすれば、このへんの草がそうとう踏みにじられていなければならぬはずなのに、そういう形跡がない。