Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.028 Zeichen · 28 Bildschirme

Aozora Bunko

ひとひねり。ふたひねり。ガクリと錠がおちる。曳戸に手をかけてひきあけようとすると、いないはずの闇の中から、ふたりの中間が飛びだして、むんずと藤波の襟がみをつかんだ。

「おッ、こいつ、駕籠部屋の錠を」

ひとりは中間部屋のほうへむかって大声に叫び立てる。

たちまち、バラバラと十二三人走りだして来て、グルリと四方を取巻いてしまった。

しまったと思ったが、なまじいジタバタして自分の身分が露見すると、とうてい、ただではすまないから、観念して突っ立っていると、ガヤガヤを押しわけて割りこんで来たのが、顎十郎。

今まで中間部屋で寝っころがっていたものと見え、ねぼけ眼を見ひらいて、藤波の顔を月の光にすかして眺めていたが、感心したように長い顎をふりふり、

「駕籠部屋をねらうとは、変ったぬすっともあるもんだ。後学のために、よく面を見てやろう。部屋へひっぱって行け」

「ようございます」

中間どもはおもしろがって、手どり足とり、藤波を部屋へひきずりこんで、大の字におさえつける。

顎十郎は、のんびりした声で、

「なにか気障なものを持っているかも知れねえ、すッ裸にひんむいてしまえ」

やれやれ、で、寄ってたかって裸にする。