Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.028 Zeichen · 28 Bildschirme
ひょろ松の部屋に寝ころがって、例によって顎十郎のむだ話。
「草原はいちめんの霜柱なのに、乗物には霜がかかったあとがない。はは、こりゃア、今朝、木戸がひらくと同時にここへ運んで来たのだとわかった。……なんでわざわざこんなことをしやがるんだろう。……乗物をみると、支離滅裂にたたっこわしてある。人間わざでないようなこわし方だ。つまり、どうでも、神隠しと見せたいのだ。……ところで、腑に落ちないのが、大井の態度。本来ならば、これは染岡の仕業にちがいないと口でもとがらして騒ぎ立てなければならぬはずなのに、お祖師様とかご示験とか、妙に霞のかかったようなことだけしか言わない。……なにかアヤがあるな、で、市村座へ行って調べて見るてえと、局の芝居くらべがあるから十五日朝まで衣裳一式ととのえろというご下命があったとぬかす。……これで、すっかり見とおしがついた。……とかく女びいきのお前を前において言うわけではないが、女ってえのは細かいことをするもんだなア。いや、恐れ入ったよ。……お祖師様がにらんで、帰りがこわくて、それから神隠し。……とんまな野郎なんかにゃアちょっと企らめねえ芸だ」