Japanische Klassiker mit Furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Lesen Sie 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.707 Zeichen · 20 Bildschirme
一節切の符だという。……それから、日本橋の本屋へ行って、一思庵の『一節切温古大全』というのを買い、指孔のように上から五つずつ区切って読んでみると、ちゃんと文句になる。
○○●●● ヒ、●●○●○ ル、●○○○○ ヤ、○○○○○ ツ、●○○○○ ヤ、●○○●○ タ、●●●●○ ホ、○●○○○ リ
「昼、未、弥太堀……」
といって、てれくさそうに、頭に手をやり、
「ところで、藤波友衛のほうが、おれより五日ばかり早かった。……ただ、藤波のやつは絵すがたの絵ときが出来ずに、いきなり弥太堀の大黒堂だと思いこんでしまった。藤波だって、矢羽根も四匹の鼠もちゃんと見ていたことだろうが、あのまぬけな絵ときが出来なかったのは、あいつの頭があまり鋭すぎたからだ。……たとえば、南部の絵暦を、学者よりも百姓のほうが、じょうずに読む。……しょせん、頭が正直で、まよわずにあるがままにものを見るからだろうて。ともかく、早く大黒屋をひっつつんでしまえ」
ひょろ松は、そっと水茶屋の裏口からぬけだすと、長い脛でぼんのくぼを蹴あげるようにしながら、むさんに八丁堀のほうへ駈けて行った。
弥太堀の大黒屋に集っていたのは、一団の主領かぶで、栗田口新之丞、石丸茂平、佐田長久郎、杉村友太郎、山谷勘兵衛、以下十名、いずれも勤王くずれの無頼漢。