Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜのたより
風の便り
Lesen Sie 風の便り (かぜのたより) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.044 Zeichen · 66 Bildschirme
あなたと私のこんな違いは、お金持と貧乏人という生活の懸隔から起ったのでは無く、あなたが之まで幾十度と無く重大の命の危機を切り抜けて生きて来たという事から起ったのだ。あなたはいつでも、全身で闘っている。全身で遊んでいる。そうして、ちゃんと孤独に堪えている。私は、あなたを、うらやましく思います。
いかに努めても、決して及ばないものがある。猪と熊とが、まるっきり違った動物であるように、人間同志でも、まるっきり違った生きものである場合がたいへん多いと思います。猪が、熊の毛の黒さにあこがれて、どんなにじたばたしたって、決して熊にはなれません。私は、あきらめました。二日あなたのお傍で遊ばせていただき、あなたに、あまり宿賃のお世話になるのも心苦しい事でしたので、私だけ先に、失礼して帰京いたしましたが、あなたは、あれから、信州のほうへお廻りになるとか、おっしゃって居られましたけれど、もうそろそろ涼しくなってまいりましたから、御帰京なさって居られる頃と存じます。
夢のような気が致します。二十年間、一日もあなたの事を忘れず、あなたの文章は一つも余さず読んで、いつもあなた一人を目標にして努力してまいりましたが、一夜の興奮から、とうとう手紙を差し上げ、それからはまるで逆上したように遮二無二あなたに飛び附いて、叱られ、たたかれて