Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうばけものやしき

風流化物屋敷

山本 周五郎

Lesen Sie 風流化物屋敷 (ふうりゅうばけものやしき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.228 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

四 寝耳うるさき床下の声

行灯の光が明けてある縁側から庭へこぼれるので、例の柘榴の花がおどろおどろしく見えるが、旦那は、なんとも思わないようすで、盤面を見たまま頻りに首を捻ったり、「ふむ、――と来るか、なるほど」などと呟いていた。

四 寝耳うるさき床下の声

平之助が寝たのは、十時過ぎであった。ひる寝をしたおかげでぐっすりと眠りこんだが、なん時間ぐらい経ってからだろう、天床でおそろしく騒がしい音がするので眼がさめた。鼠にしては激し過ぎる、沢庵石でも転がすような具合で、ごろごろがらがら天床いっぱいになにか走り廻るのであった。「むーむ」平之助はこう呻って天床を見上げ、大きな欠伸を一つするとやおら寝返りをうって眼をつぶった。物音はぴたっと止った……耳を聾するような激しい轟きが急に止ると、きみの悪いほどしんと夜陰の静寂がのしかかった、なんの音もしない、正札付き、「死の如き静寂」だ、然しその沈黙のなかに、やがてなにかの微かな声が聞えだした、途切れ途切れのごく微かな声である。始めはどこでなんの声がするのかわからなかった。やや高くなり、また低くなり、訴えるが如く噎ぶが如く断続していたが、やがてそれが人間の呻く声だということがわかるようになった。