Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふうりゅうばけものやしき

風流化物屋敷

山本 周五郎

Lesen Sie 風流化物屋敷 (ふうりゅうばけものやしき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.228 Zeichen · 40 Bildschirme

Aozora Bunko

果然! 天床で例の石臼でも転げるような音が轟き始めた、ごろごろがらがら家鳴り震動である、床下でもきいきいきゃあきゃあ得体の知れない悲鳴が起った。平之助は眠りを妨げられ、余りの騒々しさにむくむくと起き上った。そしてまだくっ付いている眼をしかめて、ふきげんにこう天床を眺め、片手でぼりぼり衿首を掻いたと思うと、欠伸をした。家鳴り震動はますます旺んである、床下でも負けずに景気をあげている、「うーん」旦那は閉口して唸った、とたんにあらゆる物音が死滅した。天床も床下もぴたっと鳴りをひそめたのである、墜落的沈黙というやつで、家ぜんたいが墓場の中のように森閑と鎮まりかえり、庇を打つ雨の音がしとしと聞え始めた。「やれやれ」ほっと太息をついて旦那はまた寝ようとしたが、ふとなにか聞きつけてふり返えった、……襖がすうっと開いたのである、奥の客間へ通じている襖がすうっと開いて、暗がりの中からこっちへ入って来る者があった、行灯は反対側にあるし火が細くしてあるからよく見えないが、たしかに誰かはいって来る、……それは蚊帳のそばまですっと音もなく近寄った、手にお盆を持っている、そしてしずかに蚊帳の外へ坐ると、細いかすかな声で、「お茶をあがれ……」