Japanische Klassiker mit Furigana
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ふうりゅうばけものやしき
風流化物屋敷
山本 周五郎
Lesen Sie 風流化物屋敷 (ふうりゅうばけものやしき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.228 Zeichen · 40 Bildschirme
「感心なさる場合ではございません、少しはしゃんとあそばせ」とみ嬢は世間の女房がその良人をたしなめるが如くたしなめた、「宜しい、しゃんとしましょう、しかしどうしたらいいんです」「――こうあそばせ」彼女はついに生垣から妙案を毟り取った、「今夜あの者たちの所へいらっしゃるんです」「連中に会うんですね」「そしてごく穏やかに相談をするお積りで、こんど嫁を取ることになったと仰しゃるんです」「ははあ」「嫁は母親だの女中だの伴れて来るし、自然召使いたちもふえる、女は口の軽はずみな者だから、要心のためにほかを捜して移って貰いたい、残念だがこれまでの席料も返すから、――こう仰しゃるんです。お断わり申して置きますが、わたくしは決して口が軽はずみじゃあございませんのよ、これは世間一般の女をいうんですから、仰しゃれまして?」「そのくらいなことなら云えますよ、しかし、もし嫁を貰わなかったら、連中は怒るでしょうな」「お貰いになれば……」と云いかけて、とみ嬢はとつぜんまっ赤になり猛烈に生垣を毟ったと思うと、こんどはまっ蒼になった。そして、「明朝また、あの、――ごめんあそばせ」と云うなり、あっけにとられている旦那を残して、家のほうへと走り去っていった。