Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふうきんとさかなのまち
風琴と魚の町
林 芙美子
Lesen Sie 風琴と魚の町 (ふうきんとさかなのまち) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.372 Zeichen · 27 Bildschirme
父は、この節に合せて、風琴を鳴らす事に、五日もかかってしまった。
「早よう売らな腐る云いよった」
「そぎゃん、ひどかもん売ってもよかろか?」
「ハテ、良かろか、悪かろか、食えんもな、仕様がなかじゃなッか」
尾の道の町はずれに吉和と云う村があった。帆布工場もあって、女工や、漁師の女達がたくさんいた。父はよくそこへ出掛けて行った。
私は、こういうハイカラな商売は好きだと思った。私は、赤い瓶を一ツ盗んで、はんど甕の横に隠しておいた。
「時勢が進むと、安うて、ハイカラなものが出来るもんかなア」
町中「一瓶つければ桜色」の唄が流行った。化粧水は、持って出るたび、よく売れて行った。
その頃、籠の中へ、牛肉を入れて売って歩く婆さんが来た。もうけがあるのであろう、母は気前よく、よくそれを買った。蒟蒻を入れると、血のような色になって、「犬の肉ででもあっとじゃろ」と、三人とも安いのでよく、その赤い肉を食った。
「やっぱし、犬の肉でやんすで」
階下のおばさんは、買った肉を犬にくれたら、やっぱし食わなかったと、それが犬の肉である事を保証した。
雨がカラリと霽れた日が来た。ある日、山の学校から帰って来ると、母が、息を詰めて泣いていた。