Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ふううのばんのこぞうさん

風雨の晩の小僧さん

小川 未明

Lesen Sie 風雨の晩の小僧さん (ふううのばんのこぞうさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.030 Zeichen · 10 Bildschirme

Aozora Bunko

こちらは、毎日ちらちらと雪が降っている。二、三日前田圃にたくさんのはまねこが降りていた。おそらく海も荒れて、魚が捕れないからであろう。僕が石を投げると、一時に空へ舞い上がって、それはきれいであった。しかも、奇怪な風景という感じがした。空は、毎日灰色に曇っている。そして、寒い風が吹いている。関東の空は、これから青空つづきだと聞いたが、日本海岸と、太平洋岸とでは、それほど相違があるのだろうか。もっとも山一つ越せば、雪が降らないのに、こちらは、雪が四尺も五尺もあるのだから、まったく自然の現象ばかりは奇妙なものだ。

君は、その青空の下で、朗らかに働いていることだろう。僕たちは、夜となく、昼となく、あのゴーウ、ゴーウとほえるような、また遠方で、ダイナマイトで石を砕くような海鳴りを聞きながら、家事のてつだいをしたり、やがてくる春の日の用意に怠りがない。

なつかしき信吉くん。

君は、あの谷川のほとりのほおのきを知っているだろう。二人がやまばとの巣を捕りにいって、もう先にだれかに捕られてしまって失望したことがあったね。僕は、あのあたりの景色が好きだ。君が出発する前に、平常から親しくしていた、たつ子さんと三人で、あすこの石の上で、なつみかんや、ゆで卵を食べて、形ばかりの送別会をやった、そのとき、ちょうど、ほおのきの花が