Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひだのかお

飛騨の顔

坂口 安吾

Lesen Sie 飛騨の顔 (ひだのかお) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.316 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

足利時代の作と伝えられているが、一方はタクミ自像とある通り、この顔がタクミの顔、ヒダの顔であるのは云うまでもない。やっぱりコブコブが寄り集って作っているのである。

大雄寺の山門の仁王様は、私が見た限りに於ては、日本一の仁王様である。

身の丈、三尺五寸ぐらい。だいたいチッポケな山門なのだ。寺に至ってはさらに貧相なつまらない寺だ。それにしても、とにかく山門をつくったから、お前ひとつ、仁王様をつくらんか、という次第で、山門なみにチッポケな仁王でタクサンだぜと念を押されて出来上ッたようなノンキな仁王様なのである。

一方は出来そこないの横綱が威張り返って土俵入りをしているような仁王様だ。ダブダブした腹の肉がたるんでダラシがないこと夥しいが、大いに胸をそらして両の手をぐいと引いて、威張りかえッて力んでいる。

一方の仁王様は、ちょッと凄んだ顔をしてみせたのはいいが、どうも年のせいか、息ギレがしていけねえ。しかし、どうだ、こうやって、こう、にらむ。年はとっても、このオレの凄味を見ねえ。ナニ、だらしなく口があきすぎると? だから云ってるじゃないか。どうも息ギレがしていけねえや。