Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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めしまつま

飯待つ間

正岡 子規

Lesen Sie 飯待つ間 (めしまつま) von 正岡 子規 (まさおかしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.525 Zeichen · 126 Bildschirme

Aozora Bunko

この恋が成功さえすれば天地が粉微塵コッパイになっても少しも驚きはせぬ。もしまたこの恋がどうしても成功せぬときまった暁には磔に逢うが火あぶりに逢うが少しも悔む処はない。固より悔む処はないのであるけれどしかし死という事が恐ろしくあるまいか、かよわい女の身で火あぶりに逢わされるという事を考えた時にそれが心細くあるまいか。家を焼くお七の心がいじらしいだけそれだけ、死に臨んだお七の心の中があわれであわれで悲しくてたまらん。死に近づく彼女の心の中は果してどんなであったろう。初より条理以外に成立して居る恋は今更条理を考えて既往を悔む事はないはずだ。ある時はいとしい恋人の側で神鳴の夜の物語して居る処を夢見て居る。ある時は天を焦す焔の中に無数の悪魔が群りて我家を焼いて居る処を夢見て居る。ある時は万感一時に胸に塞がって涙は淵を為して居る。ある時は惘然として悲しいともなく苦しいともなく、我にもあらで脱殻のようになって居る。固よりいろいろに苦んで居たに違いないけれど、しかしその苦痛の中に前非を後悔するという苦痛のない事はたしかだ。感情的お七に理窟的後悔が起る理由がない。