Japanische Klassiker mit Furigana
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めしまつま
飯待つ間
正岡 子規
Lesen Sie 飯待つ間 (めしまつま) von 正岡 子規 (まさおかしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 59.525 Zeichen · 126 Bildschirme
両側の店は檐のある限り提灯を吊して居る。二階三階の内は二階三階の檐も皆長提灯を透間なく掛けて居る。それでまだ物足らぬと見えて屋根の上から三橋の欄干へ綱を引いてそれに鬼灯提灯を掛けて居るのもある。どうも奇麗だ。何だか愉快でたまらん。車は「揚出し」の前を過ぎて進んで往た。「雁鍋」も「達磨汁粉」も家は提灯に隠れて居る。瓦斯燈もあって、電気燈もあって、鉄道馬車の灯は赤と緑とがあって、提灯は両側に千も万もあって、その上から月が照って居るという景色だ。実に奇麗で実に愉快だ。自分はこの時五つか六つの子供に返りたいような心持がした。そして母に手を引かれて歩行いて居る処でありたかった。そして両側の提灯に眼を奪われてあちこちと見廻して居るので度々石につまずいて転ぼうとするのを母に扶けられるという事でありたかった。そして遂には何か買うてくれとねだりはじめて、とうとうねだりおおせてその辺の菓子屋へはいるという事でありたかった。車ははや山へ上りかけた。左には瓦斯の火で「鳥又」という字が出て居る。松源の奥には鼓がぽんぽんと鳴って居る。何となくここを見捨てるのが残り惜いので車を返せといおうと思うたがそれも余り可笑しいからいいかねて居ると車は一足二足と山へ上って行く。