Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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えきふにっき

駅夫日記

白柳 秀湖

Lesen Sie 駅夫日記 (えきふにっき) von 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.989 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

子守女とはいうものの皆近処の長屋に住んでいる労働者の娘で、学校から帰って来るとすぐ子供の守をさせられる。雨が降っても風が吹いてもこの子守女が停車場に来て乗客の噂をしていないことはただの一日でもない、華やかに着飾った女の場合はなおさらで、さも羨ましそうに打ち眺めてはヒソヒソと語りあう。

季節の変り目にこの平原によくある烈しい西風が、今日は朝から雨を誘うて、硝子窓に吹きつける。沈欝な秋の日に乗客はほんの数えるばかり、出札の河合は徒然に東向きの淡暗い電信取扱口から覗いては、例の子守女を相手に聞きぐるしい、恥かしいことを語りおうていたが、果てはさすがに口へ出しては言いかねるものと見えて、小さい紙片に片仮名ばかりで何やら怪しいことを書きつけては渡してやる。

女はそれを拾い読みに読んでは娯しんでいる。その言いしれぬ肉のおもいを含んだ笑い声が、光の薄い湿っぽい待合室に鳴り渡って人の心を滅入らすような戸外の景色に対べて何となく悲しいような、またあさましいような気がして来る。

「あれ――河合さん嫌だよ、よう! 堪忍してよう!」と賤しい婦人の媚びるような、男の心を激しく刺激するような黄いろい声がするかと思うと、ほかの連中が、ワッと手をたたいて笑う、