Japanische Klassiker mit Furigana
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えきふにっき
駅夫日記
白柳 秀湖
Lesen Sie 駅夫日記 (えきふにっき) von 白柳 秀湖 (しらやなぎしゅうこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.989 Zeichen · 69 Bildschirme
私は雨戸を締めるために窓の障子を開けた。月の光は霜に映って、まるで白銀の糸を引いたよう。裏の藪で狐が鳴いた。
二十三
二十歳の春は来た。
停車場もいつの間にか改築される、山の手線の複線工事も大略出来上って、一月の十五日から客車の運転は従来の三倍数になった。もうこれまでのようにのんきなことも出来ない、私たちの仕事は非常に忙しくなって来た。
鉄道国有案が議会を通過して、遠からず日鉄も官営になるという噂は、駅長の辞意をいよいよ固くした。
私は仕事の忙しくなったことをむしろ歓んで迎えた。前途に期待のある身に取っては物思う暇のないほど嬉しいことはない、一月も二月も夢のように過ぎて、南郊の春は早く梅も鶯もともに老いた。
佳人の噂はとかく絶える間もない、高谷千代子は今年『窮行女学院』を卒業するとすぐ嫁に行くそうだという評判は出札の河合を中心としてこのごろ停車場の問題である。
「女というものは処女のうちだけが花よ、学校にいればまた試験とか何とかいうて相応に苦労がある、マア学校を卒業して二三年親のところにいる間が女としては幸福な時だね、学校を卒業するとすぐお嫁にやるなんて乳母も乳母だ、あんまり気が利かな過ぎるじゃあないか」