Japanische Klassiker mit Furigana
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がいこつのくろんぼ
骸骨の黒穂
夢野 久作
Lesen Sie 骸骨の黒穂 (がいこつのくろんぼ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.160 Zeichen · 28 Bildschirme
銀次は動かなかった。なおも息を殺して四角い月の光りを凝視していた。
今一度小さな手がスウッと這入って来て、掛金の位置を軽く撫でたと思うと又、スルリと引込んだ。
銀次は依然として動かなかった。
三度目に白い小さい手がユックリと這入って来て、掛金にシッカリと指をかけた時、銀次は坐ったまま両手を近づけてその手をガッシリと掴んだ。掴んだままソロソロと立上って手の這入って来た穴に口を寄せた。低い力の籠もった声でユックリと囁いた。
「……オイ……貴様は巡礼のお花じゃろ。……もうこうなったら諦らめろよ」
「……………」
「俺の顔を見知って来たか……」
「……………」
「俺がドレ位の恐ろしい人間かわかったか」
「……………」
「わかったか……阿魔……」
「……………」
「……俺の云う事を聞くか……」
「……………」
「聞かねばこのまま突出すがええか……警察は俺の心安い人ばかりだ」
白い手の力がグッタリと抜けたようであった。
銀次は片手で女の手首をシッカリと握り締めたまま油断のない腰構えで掛金を外した。黒覆面に黒脚絆、襷掛けの女の身体を潜戸と一所に店の中へ引張り込んだ。同時に水のように流れ込んで来る月明りに透かして女の全身を撫でまわすと、内懐から竹細工用の鋭い刃先の長い、握りの深い切出小刀を一挺探り出して、渋紙の鞘と一所に、土間の隅へカラリ